高田世界館への道! vol.15 「曲を作るということ」

IMARGINEについて話をしていくこのブログのテーマからすると横道小野介的な話ですけど、先月8月には久しぶりのリリースがありました。配信でリリースしたのは「素粒子たち」以降初めてになるので、1年2ヶ月振り、となりました。

あら、意外と出してなかったんだ・・・とちょっとびっくり。
去年、「素粒子たち」以降に、例えば「IMARGINE」のライブでは”にじみ”、”けだかいこころ”、”Flowers”という新曲を発表していたし、バンドライブでは”強靭な肉体”という曲をやったりしてた。弾き語りでも「Ember」というデモを今年5月に出してたりしてたので、てっきり外に向けた発信は定期的にできていると思ったが・・・危ない危ない。やったつもりになっていた。失敬。

今回は8月にリリースされた”金があったら”、”ターミナル”という2曲と、楽曲を作る、ということについて掘り下げていきたいと思います。

ちなみにプレイリストに取り上げていただいた影響か、Spotifyのトップソングが”窓”になってるんだよな。これはつまり初めて自分のプロフィールを覗いた人は「この曲が一番人気かあ〜〜」と思うわけで、ライブではほとんどやっていないので、「やらないんだ〜」となる可能性が高いということでしょうな。それで期待を裏切っていたようでしたらすいません。ライブで歌う曲が、自分がやりたい曲です。毎回変わってすいません。

自分は曲を作ることが本当に好きで好きで頭がおかしくなっているので、もう一瞬たりとも何も逃さないぞって目をしています。俺と会ってる時は何かをすっぱ抜かれていると思ってください。絶対面白いことしてください。

これも話が逸れるけど、上の一文の締め括りに「冗談ですが」と付け加えようとして、やめた。それはまあわざわざ書かなくてもいいだろうと思ったからだけど、ふと思い出したことがある。25歳前後くらいの頃、嘘をつくのが趣味で、初対面の人には嘘しか言わないという時期があった(だからこの時期はあまり友達が増えていない気が…笑)。この時期サラリーマンのかたわら弾き語りを年間100本弱やってたし、土日はうたたね、みたいな時期で、ぶっちゃけ対バンする人たちにも興味を持てない人が多かった時期だった。なつゆさんにももーしーにも嘘つきすぎて信じてもらえなくなった。まさかこれが数年後解散の火種になるとはその時は思いもしませんでした・・・。

あの頃から比べるとかなり人間に近づくことができました。


話を今回のテーマに戻します。
楽曲を作るということはどういうことかって一概には言えないと思うんですけど、その中のひとつに自分との対話があって、電気を消したあとの暗い部屋で夜な夜な、肥大化する自意識と対峙する孤独な戦いを続けてきたことでだいぶ自分を支配することができてきている気がします。きっと自己啓発と似ていると思います。

今回の”金があったら”って、誰でもお金があったらなあって思う時ってあると思うんですけど、きっと人によって欲しいものは違いますよね。自分は歌の中で”もしも〇〇だったら〜”を4つ書いていますが、自分としては共感して欲しいとかじゃなくて、みんながもし金があったらこれしたいな〜、これ欲しいな〜ってのを想像してもらえたらいいなあって思って作りました。作詞に何か型があるならif系の中でも質問提示型というか。うまく言えないですけど。素直に自分が普段お金があったらなあ〜って思ってるものを入れ込んだ楽曲になります。

“ターミナル”は、自分の中では世界観型というか、ストーリー型というか、妄想によって生まれたひとつの物語に対するエンディングや挿入歌的ポジションの楽曲です。よく、「歌の中に情景が見える」と嬉しい言葉をもらえたりするんですけど、そういう場合にはこの型を自分が使っている時が多いです。

中学生の頃から作詞というか、詩を書きためるようなことを始めて、それを今まで続けてきてしまいましたが、この15年の中でその書き方がかなり変化してきました。自分の経験から書かれるものもあれば、まったくそうでないものもあります。どこから何が生まれるか自分でもわかっていません。でも何かきっかけを待っても仕方ないので、とにかく日々目を血走らせてすべてを言葉に変えてやるぞという謎の気合いを持っています。

そのためつい力んでしまったりする、というのが去年の反省で、今年に入ってから肩の力を抜くを目標に活動してきました。夏に入って、だんだんそれに近づいてリラックスして作れてきている気がします。これからまた面白い作品を作っていけるような気がしています。

いろいろと書きましたが、自分はいろんな歌詞をこれからも描いていって、皆さんの「これが好き」をたくさん作れたらいいなあと思います。この感じ、好きだな〜という風に思ってもらえたら、何より嬉しい。


そろそろ締め括りますが、コロナ禍で人にあまり会えなくなった時、ある先輩から心配されたことがありました。「雄大は人に会ったインスピレーションで作品に昇華しているんじゃないか」だから、人に会えないと曲が作れないのではないか、と。確かに〜と思いましたが、幸い、自分のイマジネーションは拡張を続けている。なんだかんだ、コロナ禍で出会えた人というのも多いわけで。

結構自分はどんな時でも歩みを止めないでいられる人間だというのがわかっただけでもいい収穫でした。作品を作るごとに、自分のことを少し好きになれるような気がするのは、昔とは違うことかもしれない。自分に関わってくれる人たちが多くなっているから、素直にこう思えるようになったと思ってて、感謝がつきません。

これからツアーが終わればまたリリースを続けることができるように動いていきたいと思っています。どうか楽しみにしてもらえたら嬉しいです。

2021.9.20.小野雄大

小野雄大公式ホームページ

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